2025年10月10日
このたび、一般社団法人全国小劇場ネットワークの代表理事を務めてまいりました野村政之が今後は理事としてネットワークを牽引し、新たに 岸本佳子(北千住BUoY芸術監督)/当山彰一(アトリエ銘苅ベース代表)/相内唯史(インディペンデントシアターグループ統括プロデューサー) が共同代表を務めることとなりました。
2017年の「第1回全国小劇場ネットワーク会議 in 那覇」開催以来、全国小劇場ネットワークは「小劇場」という現場を起点に、地域や世代を越えて対話を継続し、舞台芸術・地域社会・劇場同士をつなぐプラットフォームとして活動を重ねて参りました。コロナ禍・緊急支援のクラウドファンディングを実施した後に法人化し、さらに、全国各地の小劇場の姿を可視化した 『全国小劇場ガイドブック』 の作成や、各地のアーティストが別の地域で劇場に滞在しながら思索を続ける「シアター・ホームステイ」の実施など、継続的な活動の中で独自の試みを展開してきました。
新体制のもと、私たちはこれまでの蓄積を継承しつつ、新たなネットワークづくりに取り組んで参ります。今後は、国内の劇場やアートスペースとの連携はもちろんのこと、アジア圏の小劇場やアーティストとの交流・協働も含め、小劇場を未来に開かれた都市の可能性を創造する場として育んでいきたいと思っています。
小劇場は、社会の矛盾や多様な声が交わる場所として、都市の秩序に小さな揺らぎや隙間を生み出してきました。それは、大規模制度や商業的回路からは排除されがちな表現を引き受け、先鋭的な芸術実験や、別様の生き方・関わり方への試みを可能にする空間実践の場であると同時に、創作者と観客が直接に出会い、異なる声や経験が交差する公共的空間でもあります。
こうした小劇場の存在は、既存の都市構造にひそむ裂け目から未来に向けて別様のあり方を構想し続ける営みにほかなりません。私たちは、この空間実践の力を信じ、芸術の実践と社会の声が交わる場所として、小劇場という試みをこれからの次世代に手渡していきたいと考えています。
これからも全国小劇場ネットワークの歩みに、変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2025年10月
全国小劇場ネットワーク
共同代表 岸本佳子/当山彰一/相内唯史
※現在定款等の変更手続きを進めており、内部的には新体制にて運営を開始しております。
全国小劇場ネットワークでは随時会員を募集しております。
・2025年度会員募集のご案内
→ https://shogekijo-network.jp/member/
2020年に実施したクラウドファンディング「【地域と共に歩む文化拠点】全国の小劇場の「再開」にご支援を」の記録です。多くのご支援・ご声援、ありがとうございました。